学生・卒業生の声

Students’ & Alumni’ voices

身近な“モノ”への興味を原動力に、常にチャレンジしながら研究/開発を続ける

中山 拓哉

Takuya Nakayama

趣味:趣味でもあるハンググライダーは研究も兼ねて楽しんでいます。

機械工学系に進んだ動機

人が使う“モノ”、あるいは人と“モノ”との接点に、子どもの頃から興味がありました。漠然とですが、将来はそういった分野に関わる仕事をしたい、と考えて、機械工学系の学問を学ぼう、と思い、東京工業大学に進んだのです。
学部4年間のうち自分のテーマをもって「研究」できるのは最後の1年だけですから、それだけでは当然、時間的に物足りません。理系に行くからには就職を見据えて修士課程まで進むのが昨今の主流でもあり、周囲の大半の友人とともに自然な流れで、大学院に進学しました。
中山 拓哉 博士課程へ進んだ動機

現在研究しているテーマについて

VR(virtual reality)に関連して、ヒトの脳機能や認知メカニズムの研究をしています。
VRでは頭の動きと視覚映像の動きが不一致になることが度々起こり、違和感やVR酔いが生じます。そこで、VRの没入感や快適性を損ねないための対策方法を考える過程で、普段無意識に行われているヒトの視覚機能を紐解いています。
ヒトは普段、頭や目の動きにより絶えず変化しながら入ってくる視覚情報を脳で処理し、安定した視覚映像に変換することによって周囲を認識しています。そのため、頭や目を動かしても外界は動いて見えず、例えば書類の文字も安定して読めます。このシステムがVR映像に対してどう働くか、を突き詰める研究で、VR映像を見るときの頭部の動きと視覚映像の動きの時間的なズレが、人間の認知に与える影響について考察しています。
ヒトの視覚情報に関するデータを取るために、実際にヒトにVR装置を付けて映像を見てもらうなどして、実験を行う必要があります。視野のブレを時間的に操作したり、実際に「どのように見えたか」を実験参加者から聞き取りしたりするのです。そのためには、事前に研究倫理に関する申請・確認が必要だったり、“感覚”をデータ化するための統計学や心理学の要素が必要だったりします。子どもの頃からやりたかった人と“モノ”との関わりに直結する分野なので、やりがいがあると同時に、準備や手続き、結果の出し方を含めて研究の難しさも実感することができたテーマです。
VR技術はここ数年でVRを体験できる施設・設備が急増したり、個人向けの廉価なVRゴーグルも出始めましたが、キラーコンテンツに欠け普及するレベルにまで達していない印象です。ヒトに関するデータをもとに違和感の少ないコンテンツの設計要件が明らかになることで、キラーコンテンツが生まれやすくなれば、とも思っています。
中山 拓哉 現在研究しているテーマについて

共同研究や学会等で体験したことについて

修士課程では、論文のテーマとは別に、ハンググライダーの疑似体験ができる装置とVRコンテンツの開発を手掛けました。学部時代にハンググライダーを始めて学生連盟の理事長なども務めたご縁で、航空関係のイベントに出展できる企画を考えてくれないか? という依頼が来たのです。自分でも360度撮影できるカメラで飛行中の映像を撮影したりしていたので、その映像を編集してVRコンテンツを作成しました。身体のほうは実際のハーネスを付けて装置にぶら下がり、風を当てる装置を組むことによって、ヒトのあらゆる感覚を置きかえ、できるだけリアルな飛行体験ができるよう工夫しました。
装置は当該イベントで使うだけに留まらず、先生の薦めで研究開発費を申請して改良し、修士2年では国際学会でも発表とデモンストレーションをさせていただきました。イタリアの学会だったので外国人が多く反響が大きくて、素直に嬉しかったですね。
実は学部4年次の卒業論文では、今とは異なるテーマで企業と共同研究をしていました。
その際に、出来るだけ早く成果を求める民間企業と、慎重に基礎研究を進めたい大学との間で折り合いよく成果をまとめる、という体験をしました。社会に出る前にこのような経験がたくさん積めたことは、自分にとってプラスになっている、と感じます。
中山 拓哉 共同研究や学会等で体験したことについて

将来のビジョンについて

修士課程修了後は、自動車関連のメーカーに就職します。クルマに限らず、ヒトと関わるさまざまな製品を手掛けている会社なので、自分もなにか新しいモノづくりに関われれば、と思っています。
その中で、自分が大学での研究で関わってきたVR、ARや視覚情報に関する技術が生かせる場面があれば、積極的に仕事に活用していきたいです。共同研究や学会を含めて、外部の団体と交流する機会を経験してきたことも糧にして、今後もチャンスがあれば積極的に取り組み、自分にとって武器となる新しい分野を開拓していけたら、と思います。

これから大学院に進学する人へのメッセージ

大学4年次から大学院修士課程にかけては、人生でいちばん「時間をかけて」、好きなこと、興味のあることに没頭できる時間なのかな、と思います。
そこを有意義に過ごすためには、チャンスがあったら悩む前にチャレンジする! という姿勢が大事ではないでしょうか。私の場合は学部4年で共同研究ができたこと、修士課程で論文テーマのほかにハンググライダーのデモ機開発ができたこと、など、本当にチャンスに恵まれてきたと思います。それは、学部生のときにハンググライダーに出会って真剣に打ち込み、外部との交流にも臆せず跳び込んできたからこその結果ともいえます。多少やんちゃなくらいでも構わないから、機会があったら挑戦する、という気持ちを持ち続けることが、研究にも、将来の就職にも、きっとプラスになると思います。
中山 拓哉 これから博士を目指す学生へのメッセージ

1日のスケジュール