学生・卒業生の声

Students’ & Alumni’ voices

専門知識や実験技術をじっくり身につけ、国際的に活躍できる研究者・技術者をめざす

鈴木 子游

Shiyuu Suzuki

趣味:オーケストラサークルでヴァイオリンを弾いています。両親から影響を受けて始めました。

機械工学系に進んだ動機

高校時代から、将来は研究職につきたい、と思っていました。ロケットや宇宙開発に興味があったので、それらに関連する専門的な知識をしっかり学べる大学に行きたい、と考え、東京工業大学に進学しました。
その時点では漠然とした興味だけで、宇宙関連といっても具体的にどんな研究があるのか予備知識はなかったのですが、大学で学び始めると、世の中には本当に幅広い工学の技術があるのだと気付かされました。なかでも興味をひかれたのが、材料工学という分野です。学部4年で材料を扱う研究室に入ってからさらに意欲が高まり、修士課程を含めて3年間、研究に深く打ち込むことができました。
鈴木 子游 機械工学系に進んだ動機

現在研究しているテーマについて

4年次から継続して、航空機のエンジンに使われる特殊な金属の強度を研究しています。
私の所属している研究室は、固体の変形や材料の強度、特性、その信頼性評価などを研究しています。機械や部材に使われている材料が、どのような条件で壊れるのか、また壊れずに強度を保てるのか、逆に破損等を検出する非破壊検査の方法なども、研究の対象となります。得られた知見は、例えば発電所やプラントなど“壊れて欲しくない”システムの保守点検などに活用されます。ひと言でいえば社会の安全・安心を担保する技術の研究といえるでしょう。
飛行機のエンジンも、“壊れて欲しくない”ものの一つです。飛行中のエンジン内の空気は2000度にも達しますが、耐熱処理が施され冷却システムもあるため、部品となる金属の温度は最高で900度前後。この場合、ただ高温に耐えればよいのではなく、地上での室温状態からエンジンが稼働中の900度まで、頻繁で複雑な温度変化に耐えなければならない。温度や時間など条件を細かく変えて変化を診る必要があります。そこで私は、使われている耐熱超合金に室温から900度まで段階的に負荷をかけ、どの状態でどう破壊されるのかを検証しています。
特殊な装置で実験しますが、900度という高温はもちろん熱を発するための電流も危険なレベルなので、事故のないよう気をつかいます。初めての時は、かなり緊張しました。しかし、緊張がかえってミスにつながることもある、と教わり、気を配りながらも緊張せず操作できるよう心がけました。数をこなして、学部を卒業する頃には無駄な緊張をしなくなり、今では目標通り平常心で日々、実験に勤しんでいます。
高価な装置を使った実験も学生にどんどんさせてくれる設備の充実と自由度の高さは、ありがたいと感じます。

学会や留学等の体験について

修士課程1年目後半の2018年1月から4月にかけて、米国のジョージア工科大学に留学しました。
留学しようと思ったのは、その頃には博士課程への進学を考えていて、進学先として海外の大学を視野に入れ事前に体験しておきたかったこと、また、東工大で博士課程に進む場合も自信をつける貴重な機会だと考えたこと、が理由です。大学の派遣交換留学制度を利用したので、留学中の研究がそのまま修士課程の単位に認定され、余分な学費もかけずにすみました。
ジョージア工科大学を選んだのは、コンピュータシミュレーションを学びたかったからです。それまで私は実験を主体に研究を進めてきましたが、材料の破壊工学では実験データをモデル化し、解析することも必須です。留学先の研究室は、その解析面の研究が非常に進んでいると聞いたので、自分にとって勉強になると考えました。
実際に始めてみると、先方は難しい理論や数式を複雑に組み込んだプログラムを使っていて、正直そのシステムを理解するのが大変でした。でも、滞在先の教授は私の研究テーマに興味を示され、関連する論文やプログラム等へのアクセスを許可してくださったので、自由に研究を行うことができました。
帰国して約1か月後に、海外の国際学会に一人で出席し、発表しました。発表後、話しかけて下さった海外の研究者の方々と英語で議論し合えたことが、留学による自身の成長をもっとも実感できた出来事です。研究していく上で英語は本当に必要だし、学会には修士で5回参加しましたが、同じ分野の研究者と話せる機会は本当に貴重です。
この後、私は博士課程に進みますが、できれば再度、留学したいと考えています。国際学会でスウェーデンとフランスの研究者にコネクションを得て、研究の背景も似ていると話が盛り上がったので、できればその方面でリサーチし、今度はヨーロッパに留学したいです。
鈴木 子游 学会や留学等の体験について

将来のビジョンについて

研究職をめざします。国内外の民間企業の研究所、あるいは国立の研究機関で、研究を続けていければと思います。
そのために、いまの研究室で博士課程を修めます。大学に入った当初は修士修了後の就職も考えましたが、海外では以前から研究職のキャリアに博士号が重視されていること、国内でも近年は幅広い視野や深い専門知識をもつ博士号が重宝され始めたこと、などを大学のキャリアデザインの授業で教えていただき、博士課程に進もうと決断できたのです。
グルーバルに活躍できる研究者をめざして春から3年間の博士課程に臨みます。
鈴木 子游 将来のビジョンについて

これから大学院に進学する人へのメッセージ

自分のキャリアについて深く考え、なによりも「納得して」大学院への進学を決断することが大切だと思います。
アドバイスをくれる周囲の言葉もあるとは思いますが、最終的には自分で納得した道を行くのが一番です。私も今の研究分野は大学で学んで初めて知ったことですし、社会の安心・安全を守るという実生活に結びついた内容を実際に研究していくうちに実感し、そのことが研究を続けるモチベーションにもつながりました。自分で考えて選んだので後悔はしていない。そう納得できる動機をみつけられる環境を選び取って行くことが、重要だと思います。

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